プロセスコンサルタントとは
プロセスコンサルタントとは、組織開発において、グループを支援するためにファシリテーターとして行動し、実際の課題そのものではなく、会議のプロセスを含むグループの問題に対処する専門のコンサルタントのことである。
しかしながら、このプロセスコンサルタントは、この日本ではまだまだ浸透していない。
プロセスコンサルタントは、グループの成長ステージにおいて、どの段階でも活用することはできるが、特に、グループの成長のステージで、形成のステージ(Forming)、もしくは統一のステージ(Norming)に置かれている際に、時折活用される。しかしながら、その活躍の場は、たいてい、グループ内で対立が生じている時である。
そのためにも、プロセスコンサルタントは、ファシリテーション技術を身につけていることはもちろん、それ以外にも、心理学的な知識や社会学的な知識も持ち合わせている必要がある。
プロセスコンサルタントに必要な知識を挙げると、下記のようなものである。
- ファシリテーターとしての役割と責任
- グループダイナミクス(グループ力学)
- グループを導き、チームを作るための方法論
- フィードバックの方法論
- 集団心理学
- 自己啓発戦略
- プロセス変化
プロセスコンサルタントは、グループを支援する者であるが、その支援とは、具体的に言うと、集団を形成している「人」に関わることの管理をすることである。
ただし、管理と言っても、何かを押しつけることではない。プロセスコンサルタントは、支援する相手の自立を目的として、その成長につながるプロセスを共にし、相手が何を必要としているかを質問によって導き出し、一緒に答えを考えていく。
しかし、コーチングやカウンセリングと違い、支援する相手は1人ではなく、プロセスコンサルタントは、集団、つまり、複数の人々が相手となる。
そのため、プロセスコンサルタントには下記のようなことが求められる。
- 様々な状況下で、人々とうまく働くために必要な態度や行動に関する、特別な知識を有していること
- ファシリテーターや取りまとめ役としての立場で、人々に変化をもたらすスキルと方法論を身につけていること
- グループが困難な状況にいても、常に安定した性格を保ち、人々をやる気にさせ、
より早く、効果的な組織の変化プロセスを支援する
つまり、プロセスコンサルタントとは、人々、つまり、集団に関するエキスパートであり、ファシリテーターに比べ、グループを支援するためのより深い知識やスキルを有する者のことである。