発言の出ないダメ会議を活性化する方法
発言が出ない会議で、いかに参加者から意見を引き出すかという問題について。
前回、パターンの定着化について述べた。
パターンというのは、管理職が自然と司会進行役かつ話し手となり、参加者は聞き手となってしまうことで、これが定着化すると、毎回同じ人が同じような時間帯に同じ場所(会議室など)に集まり、同じような会議になるだけでなく、同じような結論しか出ない。
では、より良い会議、つまり、今までとは異なり、活発に意見の出る会議にするにはどうすれば良いか?
それは、まずは会議の構造作りを見直すことから始めることである。
構造とは、会議における参加者の役割や、開催場所、時間帯、机や椅子の配置、そして、議事の進行方法などのことである。
この構造作りを変えることによって、会議の流れは変わる。
いつも同じ人しか話さないのであれば、それ以外の人が話すようにしてみる。
例えば、司会進行役を持ち回り制にするやり方もあるが、これだけでは、活発に意見が出るようにはならない。
だから、まずは、1人ずつ何かひとこと話させるのが非常に効果的だ。
例えば、会議の冒頭で、「今日の会議に対して何を期待しますか?」、「今あなたが問題と考えていることは何ですか?」もしくは、「前回の会議で重要だと思ったことは何でしょうか?」などを質問して、それに対して1人ずつ回答してもらうようにする。
これをすると、全参加者が1人ずつ、全員の前で何かひとこと話すという経験をすることになる。
この全員の前でひとこと話させるというのが重要。
人間は、経験していないこと、つまりゼロの状態から、最初に経験すること、つまり初めての経験(1回目)の間には、大きな心理的ハードルがある。
しかし、一度経験したことは、2回目以降は比較的容易に行うことができる。
この会議というテーマに関して言うと、何も発言せず座っているだけの状態(ゼロ)から、全員の前で何かひとこと話す(初めて)という経験を強制的に乗り越えてもらうようにする。
それが、先ほどの質問への回答のことである。
全員に同じ質問をし、1人ずつ回答してもらうことで、これが実現できるのだ。
しかし、あまりにも難しい質問だったり、センシティブな質問をすると、参加者は口ごもってしまうので、できるだけ答えやすいものが良い。
目的は、全員に何かひとこと話させることなので、話す内容はどのようなものであっても問題ではない。
そのため、月曜日の会議であれば、「休日は何をしていましたか?」でも良い。
これがちょっとしたアイスブレイクとなり、全員が話すことで雰囲気が和らぎ、その後、話しやすい雰囲気になって、意見が出やすくなる。
これは、道具も何も要らないので、是非試して頂ければと思う。